「経営技術の力」を映画の中に持ち込みたい

今回の『小さくても勝てます』では、元経営コンサルタント・役仁立三(やくにたつぞう)というキャラクターを作ったものの、ストーリーは難航しました。

「弁護士もの」「医者もの」「刑事もの」などはジャンルとしてのお約束があり、主人公の八面六臂の活躍を観客も受け入れてくれると思いますが、これまでに「経営コンサルタントもの」の映画がなく、思うような「リアリティ」を出せなかったからです。

そこで私は、実在の理容室を、経営コンサルタントとして実際に応援してみることにしました。

営業不振の理容室を、経営コンサルタントのアドバイスによって徐々に業績を改善させていき、実際に成功していく……。

その事実をベースに物語を紡げば、「経営技術の力」という「切れ味」を映画の中に持ち込めるに違いない、と思ったからです。

その原作に当たるのが本書ですが、映画にはできない、本にしかできない「小さくても勝つ」ためのノウハウを惜しげもなく詰め込みました。

是非、お役に立てていただけたら幸いです。