西新宿に実在する理容店を舞台に、経営コンサルタントと理容師が「行列ができる理容室」を作り上げるまでの実話に基づいたビジネス小説。「小さな組織に必要なのは、お金やなくて考え方なんや!」の掛け声の下、スモールビジネスを成功させ、ビジネスパーソンが逆転する「10の理論戦略」「15のサービス戦略」が動き出す。
理容室「ザンギリ」二代目のオレは、理容業界全体の斜陽化もあって閑古鳥が鳴いている店をなんとか繁盛させたいものの、どうすればいいのかわからない。そこでオレは、客として現れた元経営コンサルタントの役仁立三にアドバイスを頼んだ。ところが、立三の指示は、業界の常識を覆す非常識なものばかりで……。
12/6配本の新刊『小さくても勝てます』にかける著者の熱い思いを語ります。

「日本の役に立つ」映画を作りたい

●著者:さかはらあつし
作家、映画監督、経営コンサルタント
1966年、京都生まれ。京都大学経済学部卒業。(株)電通を経て渡米し、カリフォルニア大学バークレー校にて経営大学院にて修士号(MBA)取得。シリコンバレーで音声認識技術を用いた言語能力試験などを行うベンチャー企業に参加。大学院在学中にアソシエートプロデューサーとして参加した短編映画『おはぎ』が、2001年カンヌ国際映画祭短編部門でパルムドール(最高賞)受賞。帰国後、経営コンサルティング会社を経て、(株)Good Peopleを設立。キャラクターの世界観構築など、経営学や経済学だけでなく、物語生成の理論、創造技法や学習技法を駆使した経営支援、経営者教育を手がけている。著書は、『プロアクティブ学習革命』(イースト・プレス)、『次世代へ送る〈絵解き〉社会原理序説』(dZERO)ほか。映画は、初監督作品の長編ドキュメンタリー『AGANAI』の公開に向けて奮闘中。京都在住。

私は10年かけて、本書『小さくても勝てます』の準備をしてきました。

それは、本書を原作とした映画を作るためでした。

日本の映画産業は、「年間興行収入は紅生姜の市場規模より小さい」と言われるほど小さなビジネスですが、私は30年ほど前に「映画を作ろう!」と決めて以来、頑なにその夢を追いかけてきました。

ところが、私は制作会社で働いたことも、師匠についたことも、学校で専門に勉強したこともありません。

さらに、大学では経済学を、アメリカの大学院では経営学修士号(MBA)を取得して、今は映画業界にいます。

そんな、業界でも変わり種の私が、映画を作るにあたって考えたのは、「どんな映画を作れば日本の役に立てるか?」「どうすれば興行的に失敗する確率を減らせるか?」ということでした。

まず、老若男女に安心して見てもらえて、どこかに学びのある「人情劇」を作りたいと思いました。

とくに、私が学んできた経済学や経営学の「学び」を盛り込みたいと考えました。

これが「日本の役に立てる」という意味です。

また、日本では「ご当地映画」と言われる地方発の映画が毎年作られますが、私が考えた「興行的に失敗する確率を減らせる」映画が、この「ご当地映画」でした。