暗記術の極意は「答えを見る」ことにある!

 私はなぜ、日本で最難関といわれる司法試験に合格することができたのでしょうか?

 それは、すべて、この本で紹介する「ずるい暗記術」を編み出したからにほかなりません。

 問題を解こうとしても解けない、試験まで時間もない、でも覚えなくてはいけないことは山ほどある……。崖っぷちに立たされていた私が考えついたのが、問題集の「答えを暗記する」ことでした。

 本来余裕があれば、問題から答えを導く過程を勉強するところですが、順番を変えたのです。

 できるだけたくさんの答えを見て、次に問題を見る。このインプットを繰り返したら、今度は問題を見て答えを思い出すというアウトプットを繰り返す。

 やることは、たったこれだけです。

 なぜ、答えを先に見るといいのか?

 学校で教わった勉強法と明らかに逆ですよね。

 私の勉強法は、

「参考書を読む→問題を解く→答えを確認する」

ではなく、

「答えを見る→問題を見る→参考書を読む」

です。

 さらにスピードを上げていけば、短時間で驚くほどの量が暗記できるようになります。

 そして、大事なのは、覚えたことを忘れないようにする、「思い出すトレーニング」にあります。トレーニングを重ねれば重ねるほど、思い出す時間が短くなり、やがて瞬時に思い出せるようになります。勉強時間もさらに短縮できます。遊ぶ時間だってできてしまいます。

「覚えて、思い出す」ーーこれら一連の作業を仕組み化した勉強法をまとめたのが本書です。