漢字、歴史、歌舞伎、鉄道、マンガ……
検定ブームの中なぜかなかった野球検定

 特定のジャンルの知識を問う「検定」が盛んに行われている。最も知名度があり、受検者が多いのは漢字能力検定(漢検)だが、この他にも歴史能力検定(歴検)、映画検定、歌舞伎検定、漫画能力検定、世界遺産検定、マニアックなところでは時刻表検定、宝塚歌劇検定、ウルトラマンシリーズの知識を問うウルトラ検定なんてものもある。また、全国各地には地域振興の意味を込めたご当地検定があり、その種類は数えきれないほどだ。

 スポーツの分野で行われているのは、サッカー検定、競馬力認定試験(馬検)、プロレス知識力認定試験など。ところが、かつては文句なしの人気ナンバー1スポーツであり、誰もがうんちくを語っていた野球の検定がなぜかなかった(マニアックなファンがいる阪神タイガース検定はあったが)。

 本来ならNPBが音頭をとって実施すべき検定だろう。人々の野球離れが進んでいる折、検定を行えば話題になるし、野球に対する興味を喚起するきっかけにもなる。だが、NPBにその動きはなかった。

 それに業を煮やしたのが、プロ野球OBでチームを作りリーグ戦を行ってきたマスターズリーグだ。独自に実行委員会を組織し「野球知識検定」を立ち上げた。第1回検定は昨年9月に行われ、第2回は今年5月、そして第3回は今月18日に大阪、23日に東京の会場で行われる。

 これに先駆けて行われたマスコミ対象の検定を受けてきた。受検者は新聞各紙の運動部記者や放送局の野球中継担当者、アナウンサーなどである。

 筆者が受検したのには、あるいきさつがある。某雑誌でこの検定を取り上げることになり、昨年マスコミ向けに行われた検定にチャレンジすることになった。その挑戦者に筆者がなったのだ。