【タイプ2】「全体思考」ができない人

本コラム著者・池本克之さんの新刊

 いまの若者に限らず、「指示待ち人間」は大勢います。

 このタイプはいわれたことだけをやっていればいいと思っています。しかし、そこを責めてもしかたありません。「全体思考」が欠けているので、変われないのです。

 全体思考とは、チーム全体や部署全体、さらに企業全体を俯瞰して見られる思考のことです。物事を自分中心で考えるのではなく、「いま、チームから求められている自分の役割は何か」という具合に、全体から個人の取り組みを考えられることです。

 会社組織というのは、各々の部署がバラバラで成り立っているわけではなく、歯車、という言葉はあまり使いたくありませんが、どこかの歯車が回るとそれに応じて次の歯車が回るというようにつながっています。多くの仕事は、自分たちのやっている仕事だけで完結するわけではないのです。

 自分たちのやった仕事が次の部署でどういう工程をたどるかを知れば、たとえば、資料づくり一つとっても、次の部署で活用しやすいようなデータに加工しておく、あとからデータが必要になったときに共有しやすいようにしておくなど、仕事にひと工夫加えることも可能になります。全体思考は仕事に工夫を生むのです。工夫こそ、仕事力の源です。

 しかし、いわれたことをやっていればいいと考える人にとって、全体思考を持つのは容易ではありません。トレーニングしだいでできるようになるかもしれませんが、正直、指示待ち人間にはあまり期待しないほうがいいでしょう。