外資系コンサルティングファームのマネジャーであり、月間20万PV超のビジネスブログ「Outward Matrix」の運営者でもある20代の若手コンサルタントShin氏の処女作『コピー1枚すらとれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術』が発売となる。本書のタイトルにあるように、もともとド落ちこぼれだったShin氏(落ちこぼれ時代のエピソードは、連載第1回をご参考ください)。彼はいったいどうやって、たった1年で外資系コンサルティングファームのマネジャーにまで上り詰めたのか――。急成長を遂げる過程で、考えたこと、学んだこと、そして実践してきたノウハウについて、Shin氏に教えていただいた。
「積極的で仕事ができる人」がやっていること
落ちこぼれ時代のぼくには、歳も出身大学も同じ同期がいました。スペックが似ている彼は、どうしてもぼくの比較対象になってしまう存在でした。そして、ぼくがクライアントと話す機会すらもらえなかったのを尻目に、彼はどんどんそうした機会を得て、結果を出していきました。
「重要なクライアントとのミーティングでプレゼンを行う」「定期的に行われる評価で、最高評価を得る」「あるプロジェクトでは、チームリーダーとして全体をまとめる」……。ぼくが苦しんでいる間に、彼はそのような輝かしい成果を次々に出していったのです。
なぜ、そのような差が出ているかは明らかでした。その原因は「主体性」です。主体性を持っていきいきと働く彼には多くのチャンスが舞い込み、いつも指示待ちで積極的なコミュニケーションを取れないぼくは、クライアントとのミーティングにすら参加させてもらえなかったのです。この状況を変えるには、「主体性」を身につける以外に道はありませんでした。
しかし、そもそも主体性とは何か、ぼくには正直よくわかりませんでした。「積極的な態度」という理解は間違いないのでしょうが、ただ単に積極的なだけでは「空回りしている奴」「仕事はできないけど、やる気だけはある奴」という評価にしかつながりません。「仕事ができる」と評価される積極的な態度とは何か――。それを考えたとき、ぼくはある結論に行き着きました。
それは、仕事に価値を付け加えられているかどうかです。ぼくとできる同期の違いもまさしくこれでした。たとえば、「打ち合わせスペースを押さえる」というシンプルな仕事ですらその差は如実に現れていました。ぼくは言われた通りに打ち合わせスペースを押さえるだけですが、彼は打ち合わせの目的に合わせたスペースのみならず、そのために必要な備品の準備も提案するなど、与えられた仕事に新たな価値を加えていたのです。
ほかにも、「データをエクセルにキレイにまとめておいて」と言われたら、言われた通りにキレイにまとめるだけでなく、そのエクセルの使用用途に合った気の利いた項目や機能を付け加えたり、エクセル以外の目的に合った必要な資料を提案したり……こうしたちょっとした仕事での違いが積み重なり、彼とぼくとの間には圧倒的な差がついていたのです。