首都直下地震なら全区の4割が焦土に
いざとなったら「貢献建築物」に逃げ込め!

 首都直下地震の発生で想定される被害も甚大だ。建物全壊数8500棟、焼失棟数1万8300棟。揺れと火災による建物被害の合計(倒壊と火災の被害重複を除く)は、区内の全建物の46%に及ぶ。焼失面積は4.2km2と、全区の4割以上が焦土と化す。

 さらに、断水率70%、停電率43%、通信不通率31%など、ライフラインも寸断され、被災1日後には区民の6割が避難生活を余儀なくされる。

 幸いなことに、1km2当たりの広域避難場所数は23区平均の約2倍、順位も7位と避難場所の充足度は高い。リスクの根本対策となる防災街づくりも、主要な生活道路沿いの建物の建て替え費用を助成する独自の制度を作るなど、取り組みは充実している。

 それでも、突然大地震が襲って来たとき、避難場所まで逃げきれるかという不安は尽きない。区は、今年度から「災害時地域貢献建築物」の認定制度に乗り出した。

 安全性が高く、防災倉庫や貯水槽などを持つマンションや事業所を、近隣住民の一時避難先として活用しようというものだ。認定されると、防災資機材の購入費の半額が区から補助される。民間ストックを活用して、震災時の安心・安全ネットワークを張り巡らしていこうとするこの試みには、大きな期待が広がる。

 震災時には大火災の発生が想定される荒川区だが、普段の火災発生件数は面積当たりで7位と、23区の平均をやや上回る程度である。だが、火災100件当たりの死者・重傷者数は1位。人身被害のリスクは高くなる。

 交通事故も、面積当たりの発生件数は15位に止まるものの、事故当たりの死者・重傷者数は23区最多を示す。もっと頭が痛いのは、死傷者に占める自転車搭乗者の割合が23区で一番高いことだ。