法律事務所はブラック企業並み!?
「浅ましい弁護士が増えた」

 今年、弁護士登録をしたばかりの1年目の新人、イソ弁として勤務する弁護士が言う。

「昔は司法修習生時代、給与が出ました。でも今は出ません。実際に修習生時代、食べていくのも大変でした。本当に苦しかったから生活保護受給を申し込もうと思ったのですが、修習生の生活保護受給は難しいと自治体の窓口で門前払いでした。これ、国賠訴訟起こしてもいいですよね?」

 弁護士デビューにこぎ着けた今も、苦境は続いている。月収は約30万円程度。法科大学院時代の奨学金、司法修習生時代の貸与金などの“借金”の返済、弁護士会費、国民健康保険、アパート家賃などを支払えば、手元に残るのは10万円にも満たないという。

 イソ弁は一応、社員相当の扱いなのだが、かつてと比べれば、その雇用条件は随分劣化した。たとえば、昔ならボス弁が払ってくれるのが慣例だった弁護士会費は自腹だし、社会保険の事務所は減って国民健康保険も珍しくなくなった。

 今年、関西で弁護士登録をしたばかりの2年目イソ弁は、法律事務所での勤務実態は「ブラック企業並み」だと話す。

「朝は7時出勤、夜は21時頃、遅ければ23時退勤です。とにかく仕事量がやたらと多い。それでも弁護士をさせていただけるだけ、まだマシなのでしょうが…」

 大手民間企業勤務を経てイソ弁になったというこの2年目弁護士は現在、40代前半。民間企業時代の同期の年収は1000万円を超えているという。

「私の年収は昨年で450万円くらいです。(諸経費を引いた)所得だと300万円くらいです。もう少し稼がないと、『弁護士として弱者を救済したい』という志も段々、薄れていきそうで怖いです。今は、自分が経済的弱者ですから」

 最近、弁護士が、かつてと比べて浅ましくなったという声を時折耳にする。実際、今回の取材依頼でも、「取材謝礼は出るのですか?」「弁護士報酬基準に合わせて30分5000円税抜きで」という弁護士も何人かいたくらいだ。不思議と、それは年齢にすると30代以下の弁護士に多い。オールドタイプの弁護士にはまず見られない状況だ。