小泉文明(こいずみ・ふみあき) 1980年生まれ。早稲田大学商学部卒業後、大和証券SMBCにてネット企業のIPOを担当。2007年よりミクシィにて取締役執行役員CFOとしてコーポレート部門全体を統轄。12年に退任後、複数のスタートアップを支援し、13年12月メルカリに参画。14年3月取締役就任、17年4月に取締役社長兼COO就任した。  Photo by Y.K.

小泉 僕は今、37歳ですけど、20代からミクシィの経営をやっていたのでメルカリは“2周目”に入るんです。“1周目”のときに、ここミスったなぁとかいうのがあるんですよね。こうやったら良かったのになって、後になって思うことがありますが、そのときの経験を学習しているから、今はミスしないよう先回りしてやっているという感じですね。何かトラブルが起こったときも「あっ、このドリルなら解いたことがあるな」というイメージです。

岡田 それはうらやましい(笑)。僕なんかは全部初めての経験だから、そういうところに気づけない。

ファン感謝デーでの失敗で気づいた
任せながらも必要な評価制度

小泉 例えば、どんなミスがあったのでしょうか。

岡田 経営者になった1年目に「ファン感謝デー」をスタジアムでやったんです。会場に400人も来てくれて。そこで抽選会をやったんですが、(社員が)観客席から遠いところでやろうとしたんですよね。どうしてだと聞いたら「いやマイクが届きません」と。僕は、「それはダメだ。地声でいいからお客さんのいるところでやるぞ」と。

 僕は会場にわざわざ足を運んでくれたお客さんを絶対に逃がしたくないと思っていたんです。そんな僕と社員では、危機感の違いが決定的にありました。任さないで自分でやろうとするから、「最終的には岡田さんが何とかするだろう」と思われているんだなぁと。

 そこで今度は、社員に任せようと丸投げしたら、会社にゴミが落ちていたり、遅刻があったりといい加減になってきた。これもダメだ、と。任せるだけじゃなくて、ルールや評価制度なども同時にきちっとやらないといけないと思った。それを今ごろになって、ようやく気づいたんですよ。

小泉 メルカリでは社員が10人ぐらいのときから評価制度のベースを作っていました。そして力を入れたのが「バリューの制定」です。

岡田 詳しく聞きたいですね。