Jリーグが主催するカップ戦の「ルヴァンカップ」。2016年のシーズン中、「ヤマザキナビスコカップ」から大会名が変わった。前代未聞の出来事にもかかわらず、その名前はすっかり定着。ファンや関係者から愛されていたからだ。DOL特集「ルヴァンカップ25年目の真実」第2回は、25年という長きにわたって大会が続いた「理由」について探っていく。(サッカーライター 江藤高志)
2017年11月4日、セレッソ大阪が川崎フロンターレを下し、初優勝を手にした「JリーグYBCルヴァンカップ」。「同一スポンサーによる世界最長のプロサッカー大会」としてのギネス記録を25回に伸ばした。当時はまだ、「Jリーグヤマザキナビスコカップ」と呼ばれていた2013年、20回目の開催を記念して認定されて以来、その記録は継続中だ。
「大会名称がヤマザキナビスコカップから、ルヴァンカップに変わっているではないか」と疑問に思う読者もいるだろうが、変わったのはスポンサー企業の「商号」であって、スポンサーとしての「法人」は同じ。そうした事情もあって、同一冠スポンサーによる大会としての記録は続いている。
それにしても25年という期間は長い。日本経済で見れば、90年代初頭のバブル崩壊に始まり、大手銀行が3メガバンクに統合。企業統治を誤った数々の名門企業が経営破綻し消えるなど、まさに激動の時代だった。そんな厳しい時代にスポンサーを続けてきたヤマザキビスケットと、Jリーグとの“絆”はどのように醸成されていったのだろうか。