アカウント登録は簡単
ただ「買い時」が分からない

「これだけ上がってるんだから、もしかしたら一攫千金が狙えるかも…」

 顔には出さなかったものの、密かにそんな期待を寄せていた記者は、ビットフライヤーでアカウントの開設準備にとりかかった。メールアドレスを登録し、パスワードなどを設定した上で、本人確認資料を提出。それも極めて簡単。運転免許証をスマートフォンで撮影し、登録画面にアップロードするだけだ。

 2~3日後、自宅にハガキの簡易書留が届く。そこに書かれていたのは、シンプルに「本状のお受取をもって取引次確認のお手続きは完了です」とだけ。株取引を行う証券口座の開設よりも格段に簡単な印象だ。

 続いて入金作業。パソコンからログインしてビットコインを購入するための銀行口座を登録し、11月21日にとりあえず1万円を入金して準備は完了した。ビットコインを購入する場は、買いたい人と売りたい人が取引をする「簡単取引所」と、業者が売買の相手になる「販売所」の2種類がある。最低取引単位は、販売所では0.00000001BTC、 取引所では0.001BTCから。この時のビットコインの価格は1BTC=90万円強だったので、取引所を使うと約900円から始められた。

 ところがである。儲けようと意気込んだものの、なかなか売買に踏み込めなかった。スマートフォンにアプリをダウンロードして、朝や移動中など細めに価格の変動をチェックしていたものの、いつ買ったらいいのか、さっぱり分からないのだ。

 というのも、株なら企業の業績や、経済環境などが判断材料になり、「相場よりも安い」と思ったら買えばいいし、高いと思ったら売ればいい。しかし、ビットコインはそうした基準が全くないから判断できない。

「少しでも下がったら買おう」と心に決めながら、優柔不断な性格が災いし、じりじりと上がるチャートを見るだけの日々が続く。そして11月26日、とうとう100万円を超えてしまう。

「まずい。入金していた分では買えなくなってしまった…」

 そんな時に限って、デスクから「買ったか?どうなった?」と確認が入る。冷や汗をかきながら、「はい…また報告します」とお茶を濁してデスクの下を離れた。

 ここで、「手数料」に関する記載を熟読した。手数料には、購入手数料と両替手数料があり、ビットフライヤーの場合、ネット銀行からの「クイック入金手数料」が1件当たり324円(税込)。「売買手数料」は、業者からビットコインを購入する「販売所」は無料、相対取引をする「取引所」では最少の10万円未満だと売買手数料は0.15%(BTC建て)となっていた。

 例えば、1万円分のビットコインを取引所で買ったら、売買手数料の150円分がビットコインで差し引かれる。ちなみに「取引所」はビットコインの販売価格が相場より高めに設定されているため、よく計算した方がいい。さらに、買ったビットコインを円で出金する「出金手数料」は3万円分未満で税込540円(三井住友銀行は税込216円)だ。

 こうした入金から出金までの手数料をざっと合計すると、最少でも1014円相当になる。つまり、手数料分を取り返そうとすれば、1BTCが110万1400円になるまで待たないといけない計算になる。