1年で価格が10倍に!
ビットコインはやはり危険か
ビットコインの価格がこの1年で10倍になったというニュースが、新聞の経済欄を賑わせている。2017年の年初には11万円前後で取引されていたビットコインだが、11月末に価格は110万円を超えた。
この原稿を書いている時点では、1ビットコインの価格は瞬間風速で140万円に手が届くところまできている。株価が10倍になる投資銘柄のことを俗に「テンバガー」というが、今年はビットコインがまさにテンバガーになったわけだ。
ちなみに、3年前からのビットコイン価格を調べてみると、2015年1月には最安値で1ビットコインは2万円だった。この年の年末には5万円前後になっていたから、2015年は1年でビットコイン価格が2.5倍になった年だった。さらに2016年末には11万円になっていたころから、2016年は2.2倍のペースだった。
当然のことながら、1年で倍以上になる投資商品は、それ自体市場で抜きん出た優良銘柄である。去年も1昨年もビットコインは優良投資商品だった。それが今年はさらに過熱したペースとなり、1年で10倍になったのである。
今年のペースを具体的に見ると、3月に15万円になった価格が2ヵ月後の5月には倍の30万円になった。そして5ヵ月後の10月にさらに倍の60万円に到達、そこからまた2ヵ月で倍の120万円に到達した。ペースが上がり、ビットコイン価格は明らかに「バブル」の様相を示している。
ここまで来ると「なぜ今年の初めにドンと投資しておかなかったのだろう」と悔やむ気持ちになってしまうのだが、「じゃあ今から100万円、ビットコインに投資しますか?」と聞かれると、どうしても尻込みしてしまうのが一般的な心情だろう。
そもそも、中心となる発行主体も存在しない仮想通貨の価値がそこまで上がれば、いつ価格が崩壊してもおかしくはないと誰もが思うだろう。相場がここまで過熱すれば、天井も近いという見方の方が理性的だと私も思う。
しかし、あえてここで「意外と今のビットコイン価格はまともかもしれない」という説を、その根拠と共に提示してみよう。