17世紀のチューリップバブルに似た
空前のビットコインブーム
11月以降、“ビットコイン”が急上昇している。対ドルで見ると、11月は約50%、11月末から12月12日までで80%程度上昇した。年初来では実に18倍だ。まさに、バブル相場が燃え盛っている。
短期間で、これほどの凄まじい上昇を遂げる資産はあまり見当たらない。今年は世界の株式市場が上昇してはいるが、その上昇率は20%程度だ。なんの裏付けもないビットコイは、「上がるから買う、買うから上がる」のバブルサイクルにはまっている。
この“ビットコインブーム”について、経済学者の一人は「17世紀のチューリップバブルと酷似している」と指摘した。当時、珍しい花を咲かせる球根が人気を集め、短期間で取引価格が10倍も上昇するなど投機熱が高まった。ビットコインに関しても、それと同じ状況が発生している。
今後も、ビットコインのユーフォリア(熱狂的陶酔感)というべき状況が続く可能性はある。しかし、それが長く続くとは考えにくい。真っ当な投資行動を行う機関投資家にヒアリングしても、「ビットコインは投資対象とはなりえない」と答える者が多い。ただ、足元で上昇が続いていることもまた事実だ。
仮想通貨の代表選手
ビットコインの正体を冷静に考える
ビットコインは数多く存在する仮想通貨の中で、時価総額が最大で(約2800億ドル〈32兆円)、全体の6割程度)、今のところ、仮想通貨の代表選手と見ればよいだろう。