1973年に京都市内の自宅で創業した会社が、いまや世界一のモーターメーカーになった――。日本電産の勢いが止まらない。2014年度に1兆円を突破した売上高は、20年度の2兆円達成の確度を上げている。最大の目標は、30年度の「10兆円企業」の実現。それに向けても、永守重信会長兼社長は強気の構えを崩さない。その原動力は何か。今後の一段の成長のチャンスをどうみるか。週刊ダイヤモンド 2017年12/30・18年1/6新年合併特大号「総予測」特集のなかで、永守会長が全てを語った。全容を3部構成でお届けする。(聞き手/週刊ダイヤモンド編集部 村井令二)
EVやロボットが広がることで
モーターにチャンス
――日本電産は創業から目覚ましい成長を遂げてきていますが、自動車やエレクトロニクスなどモーターを取り巻く産業の変化をどうみていますか。
私はもともとね、モーターが将来の基幹産業になるだろうと、そういういう気持ちで1973年に創業したんです。
振り返ると、80年に入るまでは鉄が産業のコメでした。すべては鉄が中心で、建物でも橋でも何を作るのにも鉄が必要だった時代です。そして80年以降は半導体が産業のコメに代わり、ありとあらゆる電気製品に半導体が入るようになったわけです。
そして今から将来に向けて、モーターが産業のコメになるでしょう。それが長年私が考えてきたマーケットの見方なのです。