「私たちは、歴史の教訓を胸に刻み、日本の外交・安全保障の基本姿勢である国際協調と専守防衛を貫き、現実に即した政策を推進します。健全な日米同盟を軸に、アジア太平洋地域、とりわけ近隣諸国をはじめとする世界との共生を実現します。

 私たちは、国際連合などの多国間協調の枠組みに基づき国際社会の平和と繁栄に貢献します。核兵器廃絶、人道支援、経済連携、文化交流などを推進し、人間の安全保障を実現するとともに、自国のみならず他の国々とともに利益を享受する開かれた国益を追求します」

 この項目に関しては記載内容が増え、より具体的になっていると評していいだろう。ただし、「日米同盟」に関する記載に不思議な変化が見られる。

 旧綱領では「日米同盟の深化」と、自民党と大差ないような書きぶりであったものが、新綱領では「健全な日米同盟を軸に」という書きぶりに変わっている。

 この「健全な」の意味するところいかんによって、立憲民主党の立ち位置は大きく変わってくるように思われる。

 すなわち、「健全な」が日米両国の対等な立場、日本がアメリカに従属することなく自主独立の立場を確保した上で、安全保障について両国が協力するということを意味するのであれば、立憲民主党としては独自の立ち位置を占めることができるが、日米安保条約の現状を是としてそれを「健全な」とするのであれば、自民党と基本的には変わらず、玉木の党に脱皮せんとしている希望の党よりも自民党寄りとなる可能性すらある。

 立憲民主党は自民党安倍政権に対抗する軸として、特定秘密保護法や共謀罪(テロ等準備罪)、そして現行の安保法制を立憲主義に反するものと評し、その廃止を直接的または間接的に訴えてきた。立憲民主党を支持し、同党や同党の公認候補に投票した有権者には、そうした主張を受けて投票したという人も少なくないだろう。

 もし「健全な日米同盟」の意味するところが後者であれば、現行の安保法制の肯定にもつながりかねない話であり、そうした有権者にとっては主張を翻された、約束を破られた、裏切られたということにもなるだろう。

民進党の“右寄り集団”と言われる
希望の党よりも自民党寄り?

 年の瀬も押し迫った昨年12月28日に決定された「立憲民主党基本政策」においては、より具体的かつ詳細な内容が記載されている。肝心の外交・安全保障に関する項目での安保法制の取り扱いであるが、一言も触れられておらず、領域警備法の制定や周辺事態対処の強化といったことが記載されている。