1972年に「あさま山荘事件」を起こすなど、あの時代に強烈なインパクトを残した極左暴力集団(過激派)の一つ、連合赤軍。殺人罪、死体遺棄罪、強盗致傷罪など計31の訴因で起訴され、懲役20年の刑を受けた元連合赤軍活動家、植垣康博さんに左派の衰退や事件について聞いた。3回シリーズ最終回のテーマは革命、右傾化、衆院選など。(「週刊ダイヤモンド」編集部 土本匡孝)
→(2)から続く
革命はだめだめ
絶対に無理です
――今の時代でも、革命は求められていると?
何をもって革命か。どこかの政党、党派が暴力的に政権をひっくり返すのは革命ではなく、クーデター。ロシア革命もクーデター。政党が政権をもっちゃあいけない。革命は起こすものじゃない、起きるもの。起こそうとするとそこに無理が生じる。無理が生じれば、無理を押し通すことで問題を広げる。連合赤軍もそう。いろんな粛清もそう。……と私は総括してきました。
――過激派の中核派や革マル派は今も革命を狙っていると思います。中核派は一方で、国政選挙にも出ています。
中核派は選挙出るけど、よくお金あるなあと感心している(笑)。当選しようという考えではないんだろうけど。
革命はだめだめ、絶対に無理です。昔風のスタイルってのは絶対に無理。考えるのも行動するのも自由だけど、何もできない。
彼らは所詮革命を起こそうとしている。でも誰も求めていないじゃないですか。革命はやはりどうにもならんという状況、例えば戦前の米騒動とか。民衆の動きに対応できるかどうかが問われている。
今の政治体制への反抗が投票率の低さに表れていると思う。無関心というよりも拒否感。何をやっても変わらない。この拒否感が何らかのきっかけでぐっと盛り上がることはあると思う。今のいわゆる無党派層、昔風にいえばノンセクトたちがどう動くかで日本の政治はがっと変わるのでは。かつてノンセクト学生が大学紛争の主役だったように。