スポンサー交渉は年度内の決着難航
巨額投資は必要か

 この綱渡りの財務で、JDIは有機ELの巨額投資を判断しようとしているが、白山工場でスマホに使われる「蒸着方式」の有機EL設備を導入すれば2000億~3000億円が必要になる。主要株主の革新機構は、JOLED(JDIが15%出資)と合わせて、これまでの支援額が総額4070億円に上っており、これ以上の資金拠出は無理がある(図(4))。

 このためJDIは外部のスポンサー探しに奔走しており、主要顧客のアップルや、中国・京東方科技集団(BOE)、中国・TCL集団傘下の華星光電(CSOT)などと交渉を重ねてきた。

 だが、日々の資金繰りにも窮するJDIが巨額資金を調達する交渉は難航しており、同社がめどにする「18年3月末」までの決着は極めて難しい情勢だ。

 一方で、JOLEDが世界最先端技術を誇っている「印刷方式」の有機ELディスプレーの量産計画は比較的順調だ。国内の材料メーカーや装置メーカーを中心に1000億円の第三者割当増資の詳細が1月中にもまとまる見通し。

 つまり、依然として最大の問題は、JDIの蒸着方式の有機EL投資にある。だが、そもそもこの巨額投資は理にかなうのか。

 というのも、蒸着方式は韓国サムスン電子が先行しており、これに追随することになるため、収益化のハードルは高い。さらに、高額な有機ELを搭載したiPhoneが本当に現在の主流である液晶モデルを駆逐するのかどうかも、見極める必要がありそうだ。

 むしろ過去の液晶工場投資と売り上げ減が財務を圧迫し続ければ、調達すべきは投資資金ではなく、運転資金になるだろう。