タダ飯とタダ酒に群がる
貧困女子の「無料食堂」

 昨年12月の肌寒い平日、筆者は18時に大宮で友人(OL/25歳)と待ち合わせ、駅から徒歩数分の「JIS」を訪れた。休日は2時間待ちとの噂も耳にしたが、今回は平日の早い時間ということもあり、すんなりと店内に案内された。

「JIS」大宮店は、黒を基調とした広々とした店内に、カウンターとソファ席が設けられている。席同士の仕切りがなくオープンな状態だが、照明が暗いので落ち着いた雰囲気だ。18時開店から30分も経過していないにもかかわらず、既に女性グループが何組もソファでくつろいでいることから、その人気ぶりが見てとれる。

 しかし、肝心の男性が見当たらない。店内はまったく男女比率の均衡がとれておらず、ほとんどの女性客が相席になっていなかった。圧倒的に男性不足なのだ。

 私たちも相席になれないまま、ひとまずお酒や料理を注文して様子を見ることに。パスタやアヒージョなど、無料とは思えないクオリティの料理が次々と運ばれてくるなか、隣の女性客の会話が聞こえてきた。

「このままずっと男こないといいよねー」
「それマジで最高じゃない?」

 20代前半とおぼしき2人組はそんなことを話しながら、怒濤の勢いで酒と食事を注文し、ゲラゲラ笑っている。割と派手な顔つきの美女で、特に出会いに困っているようには見えない。この女性たちに限らず、相席になっていないからといって不満気な顔を浮かべている客は見当たらなかった。

 そう、別に無理して相席にならずとも女性は十分に楽しめるのだ。店内は無料女子会のオンパレードで、ある意味、大盛況。特に大学生ぐらいの若い女子にとって、無料で好きなだけ飲み食いができる(かもしれない)というのは、かなり魅力的だろう。

 “出会い”ではなく“タダ飯・タダ酒”を求めてやってくる女性が集っても、なにも不思議ではない。ゆえに相席になっても、“出会い”と“食事”という、求めるゴールの違う男女の掛け合わせによって、明らかに温度差のあるテーブルがそこかしこに存在していた。