先行きを占う「ユーロ圏総合PMI」
「ドイツIfo企業景況感指数」に注目

 欧州経済の先行きを占うには、来週発表される二つの指数に注目するといいでしょう。先行指標の「ユーロ圏総合PMI」と「ドイツIfo企業景況感指数」が参考になります。

「ユーロ圏総合PMI」は、ユーロ圏全体の製造業やサービス業の企業の購買担当者、計5000社を対象に、それぞれの企業の売り上げや雇用、在庫、価格動向について調査した指数です。ユーロ圏全体の景気の先行きの方向性を見るのに適しています。

「ドイツIfo企業景況感指数」は、ドイツのミュンヘンにあるIfo経済研究所が、ドイツ企業7000社に事業の現状と今後の見通しを調査し集計しています。景気との連動性はこちらの方が高く、信頼性の高さに定評があります。

 いずれも来週に1月度の調査結果が発表されますが、本稿執筆時点(1月17日)ではまだ金融市場参加者のコンセンサス予想が出ていません(Bloomberg調べ)。当方では、今回も景気の先行きが明るい状況が続くことが示唆される数字となると見込みます。

 一方、リスクとしては、政治的な不安定さを上げることができます。

 まずドイツは、昨年秋に総選挙が行われましたが、いまだに組閣できていません。これは選挙を受けて単独で過半数を占める政党が出なかったこと、メルケル首相の連立協議が難航していることが理由です。

 現在、メルケル首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は、以前大連立を組んでいた社会民主党(SPD)と連立協議を行っていますが、もしこれが失敗に終わった場合は、メルケル首相の退陣の可能性も含め、政治的な不安定感が高まります。

 よほどのことがない限り、ドイツの経済政策が大きく変わり経済が失速するリスクは低いと思われますが、一定の注意は払いたいと思います。

 次に、イタリアでは総選挙が3月初めに実施される予定ですが、選挙の結果、どの政党も単独では政権がとれない形になる見通しです。安定した政権ができないと、イタリア経済の立て直しに必要と言われている構造改革にブレーキがかかる可能性があるため、選挙後の組閣の動きに注意したいと思います。

 もっとも、最近では、どの政党もユーロ離脱を主張しなくなっているため、どのような政権ができたとしても、極端なリスクオフになる可能性は小さいと見られます。