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KEY PERSON interview

CFOがCIOを兼ねる東京ガス
「ITは付加価値を上げるもの。コスト削減で捉えるのはCFOの視点で見ても間違い」

【第8回】 2012年1月19日
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 ただ、当社の現状が、世の中の他業界のサービス水準から見て、かなり遅れているのは確か。「遅い!」と言われるかもしれませんが、ここ10年くらいで改善しなくてはと考えています。

――東京ガスが、ITによる顧客サービス向上に遅れをとった理由はどこにありますか?

 そのことについてちゃんと考える人がいなかったから、今のような状態になってしまったということでしょうか。お客様に一番近い部門が考えるのが自然かもしれませんが、アイデアを出すのは誰でもいいと思います。たとえばIT部門のスタッフも、最新の技術に詳しいので非常に先端的な感覚を持っています。縦割りの組織で担当を決めてしまうよりも、さまざまな担当者が日常業務のなかで雑談をしながらのほうが、アイデアが出てくることもあるでしょう。

 当社はどうしても、まず担当組織を作って、目標やスケジュールを決めてカチっとした議論をしようとしてしまうのですが、まだ見えないものを創り出す場合は従来の組織構造では難しいかもしれません。

 IT部門でも同じです。たとえば、「10年後にどんな組織になりたいか」というテーマを投げかけると、「××システムのリプレースがいつあって、×年後に××をしなくてはいけないし……」と、わかっている予定を基準に発想してしまう。手堅いのですが、これでは革新的なことはできません。先に、「どうありたいか」というイメージを作り、そこから逆算して今何をすべきか考えるという発想が求められます。

 クラウドについての議論も、当社の場合はお客様の個人情報が非常に多いので、セキュリティのことを考えると「リスクが高いので導入は無理だ」ということになってしまいがちです。しかし、先入観を持つと、議論が止まってしまいます。最初から全否定で入るのではなく、当社に合っているところはないかどうか、柔軟に考えてみることも必要だと思います。

(文/ライター 大井明子)

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