第二新卒から中高年まで必見! おいしい公務員試験Photo:PIXTA

地方公務員採用試験の“常識”が一変したことで、自治体への転職を目指す社会人の間で受験のチャンスを逃す人が今、増えている。連載『第二新卒から中高年まで必見! おいしい公務員試験』の#5では、激変する地方公務員採用試験の最新事情と共に、社会人が試験突破をするためのノウハウを伝授する、前編・後編のうち「後編」をお届けする。(「公務員のライト」専任講師 横溝 涼)

「守りの公務員」から「攻めの公務員」へ大転換
自治体が採用試験の“中身”を変えた理由とは?

 本連載の第4回で詳述したように、自治体が試験内容を刷新し、通年採用に踏み切った理由は、単なる人手不足というだけではない。現代の行政課題に対応できる「新たな人材」を喉から手が出るほど渇望しているのだ。それは、「正解を出す人」から「課題を見つける人」への大転換といえる。

 かつての公務員に求められたのは、「法令や前例に基づき、ミスなく正確に事務を処理する能力(定型業務遂行力)」だった。だから、細かい知識を記憶し、忍耐強く机に向かえる人材が適していた。これを「守りの公務員」とすれば、今求められているのは「攻めの公務員」である。

 自治体が現在、直面している課題を見てほしい。DX推進による業務効率化、増え続ける空き家問題への対策、インバウンド需要を取り込む観光戦略、「2050年カーボンニュートラル(50年までに人的な温室効果ガスの排出量から、植林などの吸収量を差し引いて実質排出量ゼロにする目標)」への対応などなど、教科書にも前例にも「正解」が載っていない課題ばかりである。

 経験者採用の「完全通年化」を決めた新潟県が掲げる「未来づくりへの挑戦」というスローガンは、まさしく自治体の現状を表している。正解のない問いに対して、現場に足を運び、課題を発見し、関係者を巻き込みながら解決策を模索できる人材――。いわゆる「課題解決型人材」が、喉から手が出るほど欲しいわけだ。

 加えて、民間企業の採用スピードに対する危機感も大きい。優秀な人材は、転職市場に出れば数週間で売れてしまう。「年に1回の試験日まで待ってください」などと悠長なことを言っていては、優秀な人材は皆いなくなる。自治体の人事担当者の本音はこうだ。

「優秀な人が転職を考えたその瞬間に、『自治体』という新たな選択肢を提示したい」

 新潟県が導入した経験者採用試験の「365日受付」や、多くの自治体が進める「早期内定」は、民間との人材獲得競争に勝つための戦略である。「いつでもドアを開けておくから、興味を持ったらすぐ来てほしい」という姿勢は、自治体がいかに本気で変革を求めているかの証左といえるだろう。

 では、どのような人材が激変する自治体の採用試験を突破できるのか。次ページでは、自治体への転職希望者が今日から始められる具体的な3つの合格術を伝授しよう。