年が明けた1月。
  「私たちの結婚式をお願いします。プランナーは有賀さんしかいません」
  二人は再び会場を訪れてくださいました。
  挙式は、天国のお父さまからよく見えるようにガーデンで執り行うことに。
  こうして、結婚式の準備が再びスタートしました。
  結婚式当日。
  朝から冷たい針のような雨が降っていました。
  挙式の1時間前になってもやむ気配がありません。
  このままでは、ガーデンで挙式をすることはできず、やむをえず室内で行うしかありません。
  ですが、それでは天国のお父さまに花嫁姿を見せたいという新婦の願いは叶いません。 
  会場のスタッフもこのガーデン挙式がどれだけ大事な意味を持つか、みんなが知っていました。
  だから、キッチンスタッフもフラワーコーディネーターもサービススタッフも司会者もカメラマンも、「どうか、雨がやみますように」と、祈りながら空を見上げていました。
  私も、天国のお父さまへ心の中でお願いしました。

  そして挙式の15分前。
  そのみんなの祈りが届いたかのようにさっきまであんなに降っていた雨がぴたりとやんだのです。
  「やんだ!」
  スタッフは一斉にガーデンに飛び出しました。
  そして、雨に濡れた地面をみんなで懸命に掃きました。
  私は新婦のところに駆け寄りました。
  「雨がやみました! ガーデンで挙式できますよ!」