人口は60年間で3倍に
いずれ地球の限界に達する

柴田明夫(しばた・あきお) 東京大学農学部農業経済学科卒業。1976年丸紅(株)入社、鉄鋼第一本部、調査部を経て、2006年丸紅経済研究所所長。2011年10月資源・食糧問題研究所を設立、代表に就任。著書に『日本は世界一の水資源・水技術大国』 (講談社)など多数。

 国連の推計によれば、2011年10月末で世界人口が70億人を突破した。FAO(国連食糧農業機関)は、人口の急速な増加で世界的に食糧や水、エネルギー資源などの確保がこれまで以上に深刻になるとの見方を示した。

 1950年に25億人だった人口は60年間で3倍近くになった。人口増加が経済に与える影響には二面性がある。これを働き手としてみれば、経済成長を押し上げる要因でむしろ好ましい。一方、人口を「クチ(口)」、すなわち食料やエネルギーの消費者としてみれば、消費は人口が増加するだけ消費量も増大することになり、いずれ地球の成長の限界に直面することを示唆するものである。