社長が親の介護問題で出勤できない事情から、業務を一任された部長が社内を仕切るようになっていたG社。この部長が実は腹黒!遅刻や客からのクレームを口実に部下に罰金を科すようになる。しかもその後、部長がそのお金を遊興費に充てていたことが発覚。どんな裁きが下されるのか?(特定社会保険労務士 石川弘子)
創業20年のビル清掃を請け負う会社。従業員数は50名程度で、20代、30代の社員が多い。そのうち約30名がアルバイトであり、現場の主力となっている。50代の社長は、数年前から家族の介護のため、ほとんど出勤せず、勤続18年の松岡部長が業務のほぼすべてを仕切るようになっていた。
登場人物
松岡部長:管理部長で40代前半。大学卒業後すぐにG社入社、数年前から管理の一切を社長から任されている。奥さんと娘がいるが、家庭には居場所がない。
竹山リーダー:現場作業のリーダーで30代前半の社員。フランクな性格で、アルバイトたちからも慕われている。
梅田:20代前半のアルバイト。まだ入社3ヵ月程度の新人。
1分の遅刻で
1万円のペナルティー!?
(あー、間に合わなかったか……)
バスの到着が予定時刻より20分も遅れたため、梅田はアルバイト先のG社に着くやいなや慌ててタイムカードを押すと、すでに始業時刻を1分過ぎていた。
「すみません、バスが遅れてしまい、1分遅刻しました」