◎スウェーデンは修理にかかる付加価値税を半減

 2016年、スウェーデン議会に、修理にかかる税金を半減させる法案が提出された。金融市場・消費者担当大臣のボルンド氏が、J-WaveのDJ、ジョン・カビラ氏の電話取材を受けた。ジョン・カビラ氏は「売り上げ落ちるんじゃないですか?」といった質問をしたところ、ボルンド氏は「そんなことはない。自転車修理も繁盛して人材が足りないくらい。小売店も我々の提案を喜んで受け入れている」と答えた。

 書籍『食品ロスの経済学』の著者で愛知工業大学経営学部経営学科教授の小林富雄氏は、こう語る。

「CVS(コンビニエンスストア)では、1店舗あたりの食品ロスは減少しているが、特に都市部では店舗過剰(Overstore)が顕著であるため、チェーン全体での削減はさほど進んでいない。それが解消されない限り、加盟店は顧客流出を恐れ過剰仕入れは止められない。特に恵方巻などの季節品は、短期間での顧客争奪戦になりがちで、廃棄リスクが、より高くなる」

参考記事:TABI LABO『スウェーデンが、物を修理すると「税優遇」を受けられる国へ。』、参考書籍:『食品ロスの経済学』(改定新版が近日出版予定。機会ロスについては旧版の第3章、新版では第4章。CVSの詳細は改定新版の第6章に記載)

◎SDGs(持続可能な開発目標)を取り入れる先進的な企業

 2030年までに世界の食料廃棄を半減させる、など、2030年までに達成すべき17の目標「SDGs(Social Development Goals:持続可能な開発目標)」が、2015年9月、国連サミットで決定した。ドイツのベルテルスマン財団によると、17の目標のうち、日本が達成している(○)と認められたのは、わずか3つのみ。7つは△、7つは×だ。日本国内の限られた先進的な企業は、すでに自社の経営計画や経営理念の中にSDGsを取り込み始めている。

 以上、恵方巻が毎年捨てられる問題を機に、改めて、食品ロスを減らしながら経済活動を継続していくことについて具体例を挙げて解説してみた。皆さんも食品ロス問題について考えてほしい。