年末年始は宴会が続く。罪悪感を持ちながらも、食べきれずに残したり、捨てたりする人も多いだろう。ところが、賞味期限内であっても、「業界の商慣行」によって大量の食品が廃棄されている実態があるという。そこで、食品ロス問題に詳しく、『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』(幻冬舎新書)の著作もある井出留美氏に聞いた。(聞き手/ライター 奥田由意)

卵は冬場なら2ヵ月保つ!
賞味期限の驚きの実態

――本書にはいくつか衝撃的な数字が挙げられています。例えば、卵は本来、冬場(10度程度)は常温で約2ヵ月(57日)保つと書かれています。

 はい。産卵日から1週間以内にパックすることになっていますので、パックしてから7週間保ちます。

 しかし、実際に売られている卵は、パックしてから2週間が賞味期限となっているのが実情です。

――冬場だと、5週間も前に賞味期限が来てしまうことになります。

 だから卵は、仮に印字されている賞味期限が過ぎていても、加熱調理すればまだまだ食べられます。

――ところで、「賞味期限」と「消費期限」は違うのですか。

「消費期限」は、生鮮食品や日持ちしないお弁当、お惣菜などが対象で、その日までに消費する必要のある「食べても安全な期間」となります。一方、賞味期限は、日持ちする加工食品など「おいしく食べられる期間」で、期限を過ぎても食べられます。