企業内にも散見される
「勝手にリセット」しちゃう人たち

 しかし、これはなにも、この2社の経営者が特別に悪党だった、という話ではない。実は、勝手にリセット状態は、こうした経営難の場面に限らず、日々のビジネスの場面でよく見られるのだ。

 はれのひや、てるみくらぶの事件では、経営者が自社の存続のみにこだわった結果、顧客の大切なイベントが勝手にリセットされたが、企業の内部でも、自分の保身にのみ走ったり思い込みで物事を進めた結果、ビジネスが勝手にリセットされてしまい、周囲に損害を与える困った人が散見される。

 日常のビジネスの場面で、次のような出来事があったり発言があったりしたら、勝手にリセット状態の兆しなので、注意しなければならない。

 責任ある立場の人が、「私は知らない」「○○さんがやったことだ」と発言したり、間違いが生じても容易に謝らなかったりしたら、いずれ勝手にリセットして、問題から逃げてしまうという兆候だ。

 議論の途中で、「結論は分かっている」という発言をしがちな人がいる。議論を継続したくなく、(優秀な)自分としては、もう結論が見えているということを言いたいのだろう。また最近は、解決しなければならない案件の進捗を聞いた時に、「私的には終わっています」と返答する人によく出会う。「結論は分かっている」と言う人も、「私的には終わっている」と言う人も、自分だけで勝手にリセットしてしまっているのだ。

 自分だけで分かっているつもりになっている兆候をさらにたどれば、「メールに返信をしない」という行動に行きつく。これも、相手の状況を斟酌しない、勝手にリセット状態の兆候なのだ。そして、これらの勝手にリセット状態は、その兆候が見られた時点で対処すれば、解決できる。