「手取りを増やす」ためには、税金の仕組みを知ることが早道。新刊『サラリーマンのための「手取り」が増えるワザ65』から、抜粋してそのエッセンスをご紹介します!
退職金を年金受取りにすると
なぜ手取りが減るのか?
退職金の受取り方法というのは、まとめてもらう「一時金」か、ある一定期間にわたってもらう「年金」で受け取る2種類があります。
前回のグラフでは、額面収入は「年金受取り」のほうが多いにもかかわらず、実際の「手取り」で見ると結果は逆転し、「一時金受取り」が130万円も有利となりました。
なぜなのでしょうか?
カラクリは、税金と社会保険料です。年間収入が多いとそれだけ引かれる額が多くなるからです。
下の表は、前ページのグラフの内訳です。税金と社会保険料の合計額に着目してください。
まず、再雇用で働く60代前半は、「(1)一時金」だと年68万円ですが、「(2)年金」は年89万円にアップします。
年金生活がスタートする60代後半になると、「(1)一時金」は年23万円ですが、「(2)年金」にすると、3倍以上の年70万円の負担になります。
60代前半よりも負担が大きく増える要因は、リタイアすると国民健康保険と介護保険に加入するからです。
高齢化が進み、この2つの保険料の負担は軽くはなく、もらえる年金収入が増えると、その分、負担が増してしまうのです。