病院の問診レベルでOK
慣れている丁寧な言葉を使う

 採用面接は、「正しい国語力」を試す場ではありません。あくまでも、その人の能力と組織との相性、成長への意欲などを測る場です。それらの内容を限られた時間で、効果的に相手に届けるのがポイントです。そのために最も大事なのは、「自分が慌てるようなミスをしないように、自然な言葉遣いを心掛ける」ということです。

 採用面接の時に話す内容は、日常生活でいつも話している内容とは違う場合もあります。そう考えると、そもそも「スラスラと話す」のは簡単ではないのは自明の理です。その上、「正しい日本語で話さなくては」というプレッシャーを自分にかけてしまっては、よりいっそうたどたどしい話し方になりかねません。では、面接での話し方はどう考えればいいのでしょうか。

 私は、以下の二つが大事ではないかと考えています。

・「なるべく使い慣れている言葉」で話す
・「使わないように気をつける言葉」を決めておく

「なるべく使い慣れている言葉で話す」というのは、すなわち「日常生活で使っている、丁寧に聞こえる言葉」を使いましょうということです。極端にかしこまるのではなく、普段の生活の中で「それほど親しい関係ではない人たち」に話すときに使っているレベルの言葉で話せばいいのではないかと思います。

 例えば、お医者さんから問診を受けた時、旅行会社で旅の相談をする時、銀行で口座開設の手続きをする時などをイメージしてください。顔見知りや親しい知人が相手ではない状況で、かつそれなりの分量の言葉を交わすことになるかと思います。

 そんな時に使っている言葉は、やたらと構えた尊敬語や丁寧語はあまり使わないのではないかと思います。そのレベルの言葉を使えば、脳みそには考えるだけの余力が残せるのではないかと思います。

 面接官に聞かせるべきことは「正しい日本語」ではなく「採用したいと思わせる情報」です。肝心の「採用したいと思わせる情報」を脳内で整理するリソースまでを、正しい日本語を使うことに割り当ててしまうのはもったいないのです。スムーズに出る言葉を使いながら、快適なリズムで会話を進めましょう。