大学受験・公務員試験の受験者必読!
「どうやって評価が決まるのか?」
「自分の書いた答案は、どこが悪いのか?」
「どうすれば、合格答案が書けるようになるのか?」
本連載では、新刊『落とされない小論文』の著者が、これらの疑問に明確な結論を出します。本番直前からでも、独力で合格水準まで到達するスキルと考え方をお伝えしていきます。
今回は、「誤字・脱字」の代表例を紹介します。(構成:今野良介)

誤字・脱字の効率的な見つけ方

誤字や脱字、日本語表現のおかしな部分は、致命的なミスとは言えないものの、数が多くなればなるほど、確実に印象は悪くなります。原稿を清書し終えた最後の段階でチェックすることになりますが、効率的にミスを発見する方法は、「声に出して読み上げること」です。

視覚だけに頼っていると、どうしてもモレが出る可能性があります。声に出すと、書いている時と別の神経も使うため、誤字や脱字を発見しやすくなるのです。もちろん、本番の試験会場で声を出すことはできませんが、口を動かすだけでも十分効果があります。

誤用しやすい表現と
正しい言葉の使い方

誤字や脱字と同じく、誤った言葉の使い方も減点対象になります。内容は合格点なのに、誤字や誤用表現が原因で僅差の不合格になってしまわないよう、正しい使い方を覚えておきましょう。

誤字脱字は潰しておこう。

・「政治は国民に対して耳障りの良いことばかりを言っている」
耳障りは「聞いていて不快になる」という意味です。「耳障りの良い」は矛盾しており、誤りです。「聞こえが良い」などが正しい表現です。

・「コンプライアンスを遵守すべきだ」
コンプライアンスは「法令遵守」という意味です。「コンプライアンスを遵守」では、意味が重複しています。「コンプライアンスを徹底すべきだ」などと言い換えます。

・「健康保険制度を維持していくため、医療費の抑制が必ず必要だ」
これも、時々見かけるミスです。「必要」は「必ず要る」という意味ですから、「必ず必要」では意味がダブります。「医療費の抑制が必要だ」とします。

・「格差是正のため、きめ細やかな支援をしていく必要がある」
「きめ細やかな」は、一般によく見かけるようになりましたが、収録されていない辞書も多く、誤用とされる可能性があります。「きめ細かい」「きめの細かい」であれば、問題ありません。

・大地震の被害をシュミレーションする
間違って書く人が非常に多い言葉です。わずかな違いですが、誤字ととられる可能性が高いでしょう。「シミュレーション」とします。

・「高齢化社会」「高齢社会」「超高齢社会」の定義
高齢社会に関する表現は、類似した表現が3種類あります。WHO(世界保健機関)の定義は、次の通りです。

・高齢化社会
→65歳以上の人口が総人口の7%を超え14%まで
・高齢社会
→65歳以上の人口が総人口の14%を超え21%まで
・超高齢社会
→65歳以上の人口が総人口の21%を超えている

ちなみに日本は、65歳以上の人口が総人口の21%を超えており、この定義では「超高齢社会」に当てはまります。ただし、「高齢社会」の国語的な意味は、「高齢者の割合が多い社会」ということですから、単純にそういう意味で使うこともできます。どの意味で使うのかを意識して用いるようにしましょう。

・「公共の建物の安全性を追及すべきだ」
この場合は「追求」が正しい表記です。「追い求める」という字が示すように、安全性、低価格、品質などを「追求」するという文脈で使います。「追及」は、相手の責任などを問う場合に使います。

・「看護師として患者さんに暖かい言葉をかけていきたい」
この場合は「温かい」とします。「暖かい」は、「寒暖の差」「暖冬」などの言葉に示されるように、「気候の暖かさ」という文脈で使います。「温かい」は、「気温」「温水」などのように、直接的に温かさを感じる文脈や、「温情」「温厚」のような「気持ちの温かさ」という文脈で使います。

・「始めにも述べたように」
「冒頭で述べたように」という意味でこう書く人がいますが、この場合は「初めにも」が適切です。「初」と「始」はどちらを使うか迷いやすい漢字です。大まかに言うと、「初」は英語の「first」のニュアンスに近く、「始」は「start」のニュアンスに近いです。「最初」「当初」「初雪」など、「初」は「物事のそもそものはじまり」という文脈で使われます。一方「始」は、「開始」「始業」など、「ある一定の時点からのはじまり」という場合に使う漢字です。もし自信がない時は「はじめに述べたように」と、ひらがなを使うと間違いがありません。

本書では、このほか、小論文試験に一発合格する必要最低限の情報を凝縮して伝えています。
ぜひ、直前対策に使い倒してください。