社会人ならば誰しもが日々付き合っている「メール」ですが、その文面に悩んだことのない人はいないはず。「やたら長すぎて伝わらない」「丁寧のつもりが誤った日本語」「冷たい印象を感じる」「慇懃すぎて逆に失礼に感じる」…こんなメールをもらって驚いたことはないでしょうか?そこで、いま話題の書籍『気のきいた短いメールが書ける本』を参考に、馴れ馴れしくなく、よそよそしくない、“ちょうどいい”メールが書けるテクニックをお届けします。2回目はつい言ってしまいがちな「つまらないものですが…」という言葉について。
贈り物をする際の正しい送付メールとは?
お歳暮を含めた贈答品の送り状は手紙にするのが正式なマナーですが、親しい間柄ではメールでお知らせすることも増えています。物を贈るときの送付状に「つまらないものですが、ご受納ください」などと書いていませんか?つい使ってしまう「つまらないものですが」という言葉、実は現代ではNGなのです。
以前は、日本人らしい謙遜の言葉といえましたが、現在では「つまらないものを私にくれるの!?」と、「かえって失礼」という意見が大勢を占めているので、使わないほうが無難でしょう。
では、贈り物を贈るときは、どのようなメールを送るのが正しいマナーでしょうか?『気のきいた短いメールが書ける本』から、送り状のマナーをお教えします。
せっかく贈り物をするのだから、しっかり吟味した素晴らしい品物と書きたいところですが、それを過度にアピールするのははしたない…そんなときは、
心ばかりのものですが、ご受納ください。
と書くのが気がきいたメールでしょう。
中川路亜紀・著 ダイヤモンド社・刊
定価:1300円(税抜)
もう少し謙遜の意味を込めたい場合は、「ご受納ください」の代わりに「ご笑納ください」という表現もあります。「ご笑納」とは、人に物を贈るときに「つまらないものですが、笑ってお受け取りください」とう謙遜の意味を含んだ表現です。“つまらない”という否定表現が入らず、明るい語感なので、好まれて使われています。
それ以外にも、
ささやかな品をお送り致しましたので、
といったメールでもOKです。
地元の名産品などを送る場合は、
当地の名物を送らせていただきましたので、ご賞味ください。
と書くと、おいしく味わってください、という意味になります。それ以外にも「お口に合いましたら幸いです」「気に入っていただけましたらうれしく存じます」なども、控えめななかにも、相手のことを思いやる気持ちが伝わる文章となります。