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IBMはクラウド企業として生まれ変わった
――日本法人社長が就任1年で宣言

大河原克行
【第168回】 2018年2月14日
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 3つめのポイントが人材への投資だ。2017年度は、中途採用を積極化。AI、アナリティクス、セキュリティ、クラウド、ブロックチェーン、IoT、Fintechなどのスキルを持った社員を中心に採用したほか、約1000人の新卒者を採用し、将来への投資も行っている。

 「優秀な人材を継続的に獲得するために、理系の学生を増やすための支援も行っている。これまではブルーカラーやホワイトカラーといった言い方が一般的だったが、いまでは、大学の学位とは別に、理系に特化したスキルを持つニューカラーが注目されている。こうした人たちを育成することを、日本IBMとして支援していきたい」とする。

 人材という点では、ダイバーシティーに関しても積極的だ。女性の活用については、2017年末に行われた「女性が輝く先進企業2017」で、内閣府特命担当大臣表彰(男女共同参画)を受賞。この受賞は海外に本社を置く企業では初めてだという。

 「日本IBMが、性別を問わず仕事に打ち込める職場環境を実現した企業であることが認められた」と自己評価する。

 2018年1月には、大阪事業所を移転し、アジャイルオフィスの名称で働き方改革を実行。この成果をもとに、2018年中には、東京・箱崎の本社オフィスも、新たな環境へとリニューアルする考えだ。「社員が協調し、アジャイルに働くことができ、デザインシンキングの文化も醸成することができる新たなオフィス空間にしたい」という。

日本での投資はさらに強化する

 最後が、日本市場に対する投資の強化だ。

 日本では、東京基礎研究所でWatsonに関する開発のほか、言語に関しては世界最高水準の研究を行っており、ここに継続的な投資を行っていることを強調。2017年には、日本における特許取得数が約300件にのぼっていることを示す。また、慶應義塾大学とのパートナーシップでは、量子コンピューティングの学習やスキル開発、実装を行うための「IBM Q Networkハブ」を設置。

 「これは、世界4ヵ所のお客様と設置した拠点のひとつであり、量子コンピュータの広がりにおいて、日本は重要な役割を果たすことになる」と語り、「従来のコンピュータでは対応できない課題解決に利用さできる技術。この拠点を活用することで、実用的な用途を探求するプロジェクトを、日本のお客様と一緒になって開始することができる」と期待を寄せる。

 また、投資という点では、日本におけるデータセンターの拡張に向けて、2018年以降も投資を続けていく考えを、キーナン社長は示している。

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