世界株安は「トランプ期待」が止めていた正常トレンドへの復帰だ

 世界的に株価が下落している。問題は、これが一時的なものか、それとも構造的なものかである。

 後者である可能性が強い。

 アメリカの金融正常化に伴う投機の沈静化が、積極的な財政政策を掲げたトランプ政権の登場で一時的に反転していたが、それが従来までの路線に戻りつつあるのだ。

 この変化の日本経済への影響は何か?

 「円安フェーズ」が終了したことにより、今後は、企業業績が悪化する可能性が高い。

2015年夏から秋に類似
金融正常化で安全資産に向かう

 いま起きている世界的な株価下落は、2015年の夏から秋にかけて起きたことに似ている。

 2014年10月末にアメリカの金融緩和が終了し、それまでの世界経済の動向が転換した。

 それは、一言で言えば、「投機の時代の終了」だ。