例えば、日本でも有数のユニコーン企業であるフリマアプリ「メルカリ」を運営する株式会社メルカリは、2013年5000万円、同年8月に3億円、2014年3月に14.5億円、2014年10月に23.6億円、2016年3月に84億円の資金調達を行っています。そのバリュエーションはシリーズCラウンドで200億円以上、シリーズDラウンドで10億ドル以上とも言われています(注)。

 当然のことながら、投資家にとって、いつ、どの程度の金額を投資するかの見極めは、それによってリターンが大きく変わってくるため、非常に重要です。たとえば、いわゆるアーリーステージと言われるエンジェルラウンドからシリーズAラウンドにおいて、バリュエーションが高くなり過ぎてしまう前に投資したほうがいい場合があります。数千万円から数億円を投資し、一定の持分比率(シェア)を取ることにより、その企業が成功した場合に、より大きなキャピタルゲインを期待することが可能になるからです。その反面、アーリーステージに投資を行うということは、事業が成功するか否か分からない中で大きなリスクを取りにいくことでもあるため、まさにハイリスク・ハイリターンの投資となります。

 一方で、シリーズB以降のレイターステージにおいては、事業の競合優位性や採算性がある程度判断できる段階に至っていることが多いです。しかし、同じような金額を投資しようとしても、すでにバリュエーションが大きく引き上がってしまっているがゆえに、小さなシェアしか取ることができず、その後ある程度バリュエーションが上がったとしても、そこまで大きなキャピタルゲインを得ることはできないという事例が少なくありません。絶対額のリターンを得たいのであれば、投資金額を大きく引き上げる必要があります。あくまでも未公開株投資であるため、ローリスク・ローリターンとまではいきませんが、ミドルリスク・ミドルリターンの投資と言えるでしょう。

 このように投資ステージや投資金額についても、同じ規模で投資するのではなく、投資先によってメリハリをつけることで、第一の観点で述べたポートフォリオの構成を最適化できる可能性があります。