そこでM課長は、単なる司会進行だけに終わらず、一人ひとりの意見を公平な時間を割いて聞くことを心がけています。ところが、会議を終えた部下たちに話を聞いてみると、意見を聞いてもらえた満足感よりも、不満の方が強いことが分かり、M課長は「研修で学んだ通りにやっているはずなのに…」と落ち込んでしまいました。

 では、M課長の何が間違っていたのでしょうか。月に1度行っている企画部の状況確認と、部内の問題提起を促す会議の場面を再現してみましょう。

意見交換するだけでは
何を目指しているのか分からない

 まず、会議を始める段階でM課長は言いました。

「では、始める前に、会議のルールを話したいと思います。お互いに意見は否定せず、相手の話を受け止め、誰かだけが発言せず、みんなが発言するように進めていきましょう!」

 こうしたM課長の発言に、部下たちは、「また意見交換会かよ…。この会議は何を目指してるんだろう」との疑念を抱いていました。

 しかし、M課長はおかまいなしに、「お互いに、思ったことをどんどん質問して発展的な会議にしていきましょう!」と発言を促します。

 その後、会議は進行し、終了の数分前にM課長はこう言いました。

「最後にそれぞれ、今日の会議で感じたことを意見してください」

 仕方なしに、全員、意見を言います。