失敗の対処法のみならず、すべての仕事は優先順位に則って行うべきである。優先順位は目的に近いほうが高くなる。

「雪中行軍のデータ収集」が目的ならば、「地元民をガイドで雇う」「民家に分宿する」「少人数で実行する」はいずれも手段である。

 重要なのは、目的を達成するための手段である。プロジェクトの目的は変えられないが、手段はいかように変えても構わない、ということだ。

 もちろん、ほとんどのビジネスマンも同じように発想していると思う。このとき、ベストだけでなく、セカンドベスト、サードベストというように、優先順位のランキングを頭の中に想定しておくことが大切である。

 事態は刻々と変化する。スピード時代ならばなおさらである。昨日の正解はもう明日には不正解かもしれないのだ。

リーダーの希望的観測が
会社を間違った方向に進める

「この前は危なかったけれどもなんとか回避できた。きっと今度も大丈夫だろう」

 何の根拠もないくせに平気でこう考える。この前うまくいったことが「偶然=たまたま」ではなく、「必然=しかるべく」と思い込んでしまうのである。

 私の自宅から東京駅の新幹線に乗るまでは約1時間かかるが、ある日、必死に自転車を漕いで、乗り換え階段を走ったら50分で行けた。

 一度「チャンピオンデータ」が出ると、頭にインプットされてしまうから怖い。

 翌日も新幹線に乗ったのだが、50分前に自宅を出て東京駅に向かったのに予定の新幹線を乗り逃がし、5分後の新幹線の自由席に乗ったら満員で、名古屋まで立つハメになってしまった。雨のせいで電車が遅れてうまく乗り継ぎできなかったのである。

 この失敗の原因は「思い込み」にある。

 個人であれば自分が痛い目にあうだけですむが、ビジネスにおいてはそうもいかない。売上や利益、資金等々に直接関係するリーダーが思い込みで、希望的観測で予測していたら、会社はとんでもなく間違った方向に進んでしまう。