勉強しないはずの45歳以上が
自己研鑽に励んでいる

鈴木 一番変化したのは、自己研鑽する社員の増加です。特に証券業界では要であるCFP(FPの上級資格)の数が、働き方改革をする前は業界最下位の188名でした。それが、短い時間で高い成果を出す必要性に迫られたとき、社員は非常によく学ぶようになりました。現在の取得者はなんと600名以上です。(2005年3月/188名→08年3月/237名→18年1月/666名)。海外で仕事をしたいという社員も多く、「働き方を変えたら学ぶ時間が確保できた」と英語学習にも非常に熱心です。

 ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、香港で2年間トレーニングできる制度があり、それを目指して勉強している人も多いです。TOEICの平均点も上がっています。以前は、CFPなどの資格にチャレンジする人は本部の社員、と相場が決まっていましたが、今では営業の人が中心です。

小室 企業ではよく、一番勉強しないといけない職種の人が一番忙しくて勉強できず、暇な人ほど趣味みたいに勉強しているという矛盾がよくあります。

鈴木 数年前、自己研鑽の取り組み状況についてアンケートをとって驚いたんです。なんと、45歳を境に突然何も勉強しなくなる傾向がありました。

小室 45歳といえば、将来におけるさらなる昇進の可能性の有無が見える時期。そのあたりが見えてしまうと、意欲がなくなってしまう人もいるということでしょうか……。

鈴木 うちは65歳まで雇ってるんだぞ、と(笑)。残り20年の間、何のインプットもなしに仕事をするのは、勘弁してもらいたい。そう考え、ポイント制を導入しました。

 たとえば、資格を取得したり、研修に参加したり、ボランティアや健康のためのマラソンをしたりすると、取り組みに応じたポイントがもらえます。そのポイントが、55歳からの給与に反映されるようになっています。60歳からは、ポイントに応じて3つのランクで待遇が分かれる仕組みを採用しています。

小室 45歳以降も学び続けている人は、60歳以降もきちんと評価されるということですね。最近、多くの企業から「わが社も定年延長を考えているけれど、キャリア後半のモチベーション・ダウンがあるのでは」というご相談を受けて、大和証券さんの手法をご紹介しています。

鈴木 以前は、45歳以上を対象とする研修やセミナーを開催していませんでした。どうせ来ないだろう、と。でも、今ではセミナーをやるとすぐに満員になるんです。