風水グッズを手放したら、人間関係が好転した
断捨離を少しずつ実践していた順子さん(仮名)。
ところがなぜか、断捨離候補に挙がらなかったのが、部屋の至るところにある風水グッズ。
しかし「モノと真剣に向き合う」ことを強く意識し始めたところ、「金運を招く貝殻や黄色のグッズ」「人間関係をよくするリスの置物」「幸運を呼ぶ龍の置物」……などが、不協和音を奏でていることに気づきました。
「掃除もしにくいし、歩くのにも邪魔なのに、なぜそのままにしているんだろう?」と考えた末の結論は、「私は、自力では幸運を掴めない、と思い込んでいるのではないか」ということ。
では、なぜ、そう思い込んでいるのだろう?
見えてきたのは、愛情に飢え、経済的にも恵まれなかった子ども時代のこと。
家庭を顧みない父親、厳しいばかりの継母、友達の家庭とは違うコンプレックスから、人間関係が苦痛で、「受け身」や「諦め」が染み付いていたのです。
今では結婚して、一見、幸せそうな暮らしをしていながらも、順子さんのココロの底にある経済的窮乏への恐れ、人間関係の苦手意識、自己肯定感のなさが、おびただしい数の風水グッズに反映されていたのです。
それに気づいた順子さんは、風水グッズの断捨離を敢行。
すると、何とも言えない清々しさと、手離せた自分に対する誇らしさを感じることができました。
さらに、思わぬ展開がありました。
“絶対に許せない”思いから疎遠になっていた、今はケアハウスにいる継母に15年ぶりに会いに行ったのです。
かつて厳しかった継母の小さな体を抱きしめた時、「私は愛されていなかったわけじゃない。継母は継母なりの立場や状況の下で、必死に育ててくれたんだ」と、これまでのこだわりが全て解け、涙とともに流れ出ました。
そして、父親のお墓参りも済ませました。
こんな穏やかな心境になれるとは、想像もしていなかったこと。
それ以降、会社の同僚たちともリラックスして接することができるようになり、ぎくしゃくしていた職場の人間関係までもが良好になりました。
順子さんは、風水グッズの断捨離によって、全ては、自己肯定感のなさから起きていたことに気づき、自分を苦しめていた執着を手放すことができたのです。