たったこれだけでも強化としては充分です。丸印がいくつか続くと、その数が増えていくことにメリットを感じます。すると行動は強化され、習慣化し、やがて当たり前の行動になっていきます。ただのカレンダーが、「実行力」を高めるためのツールになるのです。言わば「実行力カレンダー」です。

「今月は丸印が15個ついた」「20個ついた」……。

 他人から見ればくだらない話かもしれませんが、こんな小さな行動の積み重ねが大きな「実行力」につながるのです。「丸印が1ヵ月続いたら好きなCDを買っていい」といったルールをつくるのもいいでしょう。

 やむを得ない事情で行動が中断され、丸をつけられない日もあります。このような小事件は行動をやめるきっかけとなりやすいのですが、環境条件をもう一度チェックしてみることです。

「報告書を仕上げたら居酒屋!」
というごほうびでもOK

 結果自体が本人にとってニードでありメリットである場合、取り立てて強化する必要はありません。「売上目標を達成したら特別ボーナスが出た」「企画書をカラーにしたら上司にほめられた」などは、その時点ですでに強化されているのと同じですから、自分へのごほうびは不要です。

 強化の上手な使い方は、個人的な喜びを感じにくい場合にメリットをつけ加えることです。

 達成感はあるが、うれしいというほどではない。しかしその行動を繰り返したい。このような場合にこそ、強化は最も効果を発揮します。

「出張から帰ったらその日のうちに報告書をまとめる」

 あなたがこんな行動を目標に定めたとしましょう。すばやく報告書を提出したところでボーナスが出るわけでなし、上司もいちいちほめてくれません。

 それでもこの習慣は身につけたい。こういうときに自分で意図的に強化するのです。「翌朝までに報告書を仕上げたら居酒屋に1回寄り道できる」などのルールをつくってください。どんなに忙しくても、このルールを確実に守ります。そうすることで自分にメリットを学習させ、同じ行動を習慣づけるのです。

 別の言い方をすれば、居酒屋へ行くことが動機となって報告書づくりを促すわけです。居酒屋と報告書には何の関連もありませんが、行動を強化する際にはどのようなメリット・ごほうびも設定できます。

 最初のうちは「どうして報告書を書いたら居酒屋なんだ」と思うかもしれませんが、意図的につくった因果関係であっても当たり前の行動になります。