トップ営業マンやベンチャー企業などの「成功者」と呼ばれる人ほど一見、「無駄遣い」や「衝動買い」と思われるような行動をしばしば取る。こうした「行動」を見ると、世間の人は「お金があるからだろう」と単純に思いがちだ。本当にそうなのだろうか。かつてハウスメーカーでダメ営業マンからトップ営業マンになった経歴を持つ筆者が、自らの体験を踏まえて解説する。(営業サポート・コンサルティング代表取締役、営業コンサルタント 菊原智明)
トップ営業マンなのに
「無駄遣い」や「衝動買い」を繰り返す
トップ営業マンは物(商品)を売るプロである。
お客様の購買心理を追究しており“どういう心理状態になれば買いたくなるのか”または“どういう心理状態になれば買わないのか”を熟知している。
ということは、自分が買う立場になっても「ガードが固い」というイメージがある。ましてや、店員さんからのちょっとした売り込みで余計な物を買わされたり、衝動買いなんてしないと思うだろう。
しかし、実際は違ったりする。
筆者の身近な例を話そう。ハウスメーカーの営業マン時代に営業成績がダントツのトップ営業マンの先輩がいた。
その先輩はなんと、すぐ物を買わされる人だった。先輩はいろいろな場所で“いいカモ”にされていたが、それがとくに顕著に現れたのは表彰旅行で外国に行った時だった。
旅行先ではよく、片言の日本語で「お兄さん、これお土産に買って行ってよ!」と売り子が寄ってきて、変なものを売りつけてきたりする。