並外れた行動力が道を切り開いた

「自分は本当に運が良かったというのが一番ですね。まずプロになれたのも巨人で巡回コーチをされていた宮田征典さん(故人)にたまたま目をかけてもらったところから始まっていますし、今の仕事も安達先生の下で学べたからだと思っています。安達先生からは『自分の軸を持て』と言われたのですが、自分にとってはプロ野球選手のセカンドキャリアの受け皿になることが軸にあたると思います。そういう意味では、現在も元プロ野球選手を雇用していますけど、これを毎年コンスタントに数人は雇用できるような企業規模に大きくすることが当面の目標になると思います。その後はNPBの球団経営、そして破綻してしまったプロ野球選手の年金制度を復活させたいですね」

 本人は運が良かっただけと話すが、小野を成功に導いているものがあるとすれば、それはその並外れた行動力ではないだろうか。インターネットもスマートフォンもなかった時代に、慶応大学から三井物産に進むという目標のために15歳で親元を離れて越境入学したことに始まり、巨人をクビになればイタリア行きを即決。そこで自分の武器を見つけ、NPB復帰のためには12球団に自ら自分を売り込んだ。未経験の不動産業界でいきなり結果を出すことができたのも、プライドやしがらみにとらわれずに古巣球団の選手に営業を行った小野自身の行動力の結果であろう。

 一人でも多くのプロ野球選手のセカンドキャリアの受け皿となるべく、そして元プロ野球選手はビジネスの世界でも有能であることを証明すべく、小野の挑戦はまだ始まったばかりだ。