旗揚げとなるヤマザキナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)が開催された1992年から、Jリーグは有料入場者数を一の位まで正確に発表することを全クラブに義務づけてきた。

 アマチュアだった前身の日本リーグ時代は、ホームチームの運営担当者がスタンドを見渡しながら、「今日はこれくらいかな」と入場者数を決めることが少なくなかった。こうした習慣を一変させたのは、初代チェアマンに就任した川淵三郎氏(現日本サッカー協会最高顧問)のひと言だった。

「スタジアムへ足を運んでくださるお客様一人ひとりを大切にしなければ、Jリーグに未来はない」

 規約にも「実数発表」を明文化し、違反した場合の罰則も厳格に設けられた。プロ化という新たな歴史の扉を開くにあたり、ファンやサポーターを最も大切にした結果としてリーグ及びクラブ運営の公正性や透明性が保たれ、スポンサー獲得にあたって企業側の信頼を得てきた歴史がある。

 まさに最もタブー視される不正となるが、高田社長の陣頭指揮のもと、表面化した問題へ迅速に対応しただけでなく、過去2年に渡って有料入場者数を自主的に精査。実際の数字と差異があったことを明らかにしたV・ファーレンの姿勢を、Jリーグの村井満チェアマンも高く評価していた。

「不正確な数字が計上されたことは非常に残念ですが、新しい経営陣が健全化へ向けて全力を尽くされている中で、自ら是正の調査が行われたと認識しています」

 高田社長自身も、ジャパネットたかたにおける波瀾万丈に富んだ経験から、悲観的な思いはいっさい抱いていないと力を込める。

「大変なところを越えて、初めて再生できたと言えます。僕も現役の時に何度も経験していますし、それを苦労と思ったらきついですからね。一歩一歩を楽しみながら越えていこう、という感じでやっていますので、体力を維持しながら頑張ります」

 社長就任後すぐにジャパネットホールディングスから億単位の融資を取りつけ、給与遅配などの不安や雑音などをすべて取り除いた。開幕からJ2戦線の上位につけていたV・ファーレンの快進撃をさらに加速させ、ピッチの内外で一丸となって戦っていく過程で、V・ファーレンに関わる全員にあることを厳命している。