ファッションは自分を高める道具として捉えることもできます。この一環としていろいろなアイテムの歴史を知ることも、なかなかいいものです。今回は、そんな歴史のお話をさせて頂きたいと思います。(ファッションスタイリストジャパン代表取締役 西岡慎也)
いつものジャケットで
パーティに行くときの工夫
「ブートニエール」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。フランス語で「ボタン穴」、英語で「ボタンホールに挿す飾り花」を意味します。ジャケットの左上襟にある穴に挿して使うものがブートニエール。一体どのように使うのでしょうか。
中世ヨーロッパでは、男性が女性に結婚を申し込む時に、花束を差し出していました。女性がプロポーズを受け入れる場合は、この中から1本花を抜き取り、男性の胸元に挿したという習慣が由来です。現代のプロポーズよりもロマンチックな感じがしますね。現代では、結婚式では、ブートニエールとして白いカーネーションや白いバラといった生花が使われています。
昔は、オシャレな男性はパーティーやデートに行くとき、ジャケットの色味に合わせてサッと挿していたようです。しかしながら、朝挿した花が夕方になってしなびてしまうと、見た目がだらしなく感じてしまう。そこで、現代版のブートニエールとして、フェルトで作られているものが出てきました。これならば、夕方でも夜でもしなびません。
ビジネスには向かないブートニエールですが、普段着のアクセントや、パーティー・デートのアクセサリーとして使ってみてはいかがでしょうか。