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スマートフォンの理想と現実

音楽配信はすでにピークアウト。曲がり角にさしかかったケータイコンテンツ産業の明日はどっちだ

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第18回】 2012年2月23日
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 たとえばスマートフォンはフィーチャーフォンに比べ、画面は大きい。一方で自分の世界に入り込む「没入感」は、どちらも高いままである(スマートフォンとタブレットの違いはここにある)。だとすると、大きな画面を活かした(それでいてノイジーではない)最適な情報量を個人が没入できるスタイルで提供することが、差別化要因となるはずだ。

 一方、スマートフォン普及によるインフラ逼迫の問題は、本連載でも再三指摘した通り。だとすると、インフラをジャブジャブ使うサービスよりは、つながる時につながってデータを一時的にキャッシュし、接続できない時でもスタンドアロンで楽しめるサービスが好まれるようになるだろう。反対に「つなぎっぱなし」でなければ成立しないサービスは、少々厳しいことになるかもしれない。

 このあたり、海外市場も状況は似たり寄ったりであり、従ってその動きは私も気になるところである。というわけで隔週更新の本連載だが、次回はイレギュラーに、来週スペインで開催される、世界最大のケータイ産業の展示会「モバイルワールドコングレス」の様子を、ご報告しようと思う。

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クロサカタツヤ
[株式会社 企(くわだて)代表取締役、慶應義塾大学特任准教授]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。16年より慶應大学大学院政策・メディア研究科特任准教授。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

「スマートフォンの理想と現実」

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