占いやオカルトなど、スピリチュアルにハマる人は少なくない。しかも、中高年になってから、この「目に見えない世界」に没入する人もいる。もちろん、適度に楽しむならいいが、一歩間違えれば「助言者に財産をすべて取られる」「いつの間にか離婚している」など、“地獄”を見るケースもある。スピリチュアルにハマった中高年の失敗談を紹介しつつ、識者に適切な付き合い方を聞いた。(取材・文/有井太郎、編集協力/プレスラボ)
数億円の被害も珍しくない?
恐ろしき「見えない世界」の被害者
いつの頃からか、すっかり定着した「スピリチュアル」という言葉。占いや霊的なもの、オカルトなどを指して使われる。これまでに占いを受けた人は多くいるだろうし、なかにはそのアドバイスに影響された、感化された人もいるはずだ。
もちろん、それ自体は何も問題ない。しかし、こういったスピリチュアルの世界は、“ハマり方”を間違えると大きな失敗へと結びつく。
昨年1月、東京地裁で行われた裁判では、当時20代の女性が占い師にマインドコントロールされ、1億円以上騙し取られたと訴えた。女性は風俗店で働くように命令され、禁止されている「本番行為」を行うよう指示された。そしてその収入をすべて占い師に渡したという。判決では、占い師に9800万円の賠償支払いが命じられた。
歌手の辺見マリさんは、かつてスピリチュアルの世界を利用した「拝み屋」という人に洗脳され、5億円を失った。また、真偽のほどは別として、ほかにもたくさんの芸能人・有名人が「洗脳された」とニュースになっている。その入り口として、スピリチュアルが使われることは多い。
不思議なのは、中高年になってからその世界にハマる、あるいはハマりすぎる人たちだ。なぜ世の中を知り、経験を積んでから「見えない世界」に没入するのか。