今年の春節も多くの中国人が日本を訪れた。2月15日からのたった1週間で、海外を訪れた中国人は実に650万人、「何としてでも海外に行きたい」という出国願望は年々高まる。その目的は「買い物」だけではなく、別の心理的な要因があった。
上海ですらいまだ残る
商品やサービスへの不信感
「春節だけじゃありません、私は年間5~6回は海外に旅行します。私の友人は毎月渡航しますよ」
こう語るのは、上海でコンサルタントとして活躍する男性だ。
男性によれば、「こうした余裕ある人々はどこにでもいる」という。頻繁に海外旅行を繰り返せる「余裕のある層」は、最近、厚みを増しているようだ。だが、あまりにもその渡航頻度は高い。これほどまでに海外旅行を志向する理由の一つは、ご存じ「買い物」である。
上海では、「成分をごまかしてはいないか」「商品説明に嘘はないか」など、消費者は常に疑心暗鬼と背中合わせ。いまだ「日本で買い物」が目的の主流となっているのは、大都会上海でもなお、商品への不信や、サービスへの不満が解消されないためだ。