具体的にロボット支援手術の医療費を胃がんで見ると、患者の自己負担は自由診療で約200万円だったものが、保険適用で50万~60万円(3割負担の目安)まで大幅に減る。さらに高額療養費制度を利用すれば、負担額は10万円くらいに下がる(年齢や年収などによって異なる)。

医療機関の手術数に格差あり
患者は選択眼を求められる

 保険適用の治療選択肢が増える中で重要になるのが、患者側が治療の正確な情報を得て、治療や医療機関に選択眼を持つことだ。

 現場の医師たちによると、「外科医は個人のセンスで腕に差が出るが、生来備えているものだけでなく、手術するほどに技術レベルが上がる」という。手術は症例数を重ねて技術が磨かれ、熟練度が増すとされ、症例数の格差が技術の格差につながり得る。

 ロボット支援手術は従来の腹腔鏡手術に比べて習熟が早いとされる。もっと普及するころには、技術格差が消えているかもしれない。しかし、今は過渡期。医療機関間、医師間による症例数の差が大きい。一挙にさまざまながん種に保険が適用され、当該のがん種で実施症例数を重ねているところは限られている。手術を受ける患者にとって症例数は、重要な判断材料の一つになると考えられる。

 そこで本誌は医療コンサルティング会社であるグローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHCJ)のアドバイス協力を得て、ダヴィンチを導入している医療機関にアンケートを実施、ダヴィンチを使ったロボット支援手術の症例数などを調査した。

 医療機関の2017年症例数ランキング(がん種別。年間)を見ると、2012年度に全摘除が保険適用になった前立腺がんと、18年度から適用になる胃がんでは、症例数にケタレベルの差がある(次ページからの図表参照)。同じがん種で各医療機関の症例数を比較すると、医療機関間の差が大きい。