悩みや不安を解決する方法は、ひとつではない
作家 本田健（ほんだ・けん）経営コンサルタント、投資家を経て、育児生活中に作家になるビジョンを得て、執筆活動をスタートする。「お金と幸せ」「ライフワーク」「ワクワクする生き方」をテーマにした1000人規模の講演会、セミナーを全国で開催。著書は、100万部を突破した『ユダヤ人大富豪の教え』（大和書房）など、著書は130冊以上、累計発行部数は700万部を突破している。2017年にはアメリカの出版社Simon & Schuster社と契約。初の英語での書下ろしになる著書はヨーロッパ、アジアなど世界20ヵ国以上の国で発売されることが決まっている。（Photo by 森藤 ヒサシ）
──『大富豪からの手紙』の主人公、佐藤敬（サトウ・ケイ）は、小樽の猿田（サルタ）さん、京都の徳山（トクヤマ）さん、タイのソムチャイさん、ブータンのプルハさんといったメンターたちと出会い、「人生にとって大切な教え」を学んでいきますが、印象的だったのは、手紙を残した祖父をはじめ、メンターが誰ひとり、「ああしろ、こうしろ」「あれはするな、これはするな」と結論を明言していないことです。
「ああすると、ああなる」「こうすると、こう変わる」という原理原則を語ることはあっても、直接的に「これをしろ！」と示してはいません。意図的にそうされたのでしょうか。
「そのとおりです。できるだけ結論を決めつけずに、中道な立場で書くことを心がけました。『人生にとって一番大切なこと』も、『心に響くテーマ』も人それぞれ違うのですから、悩みや不安を解決するための答えは、いろいろあっていいと思います。
人によっては、起業しようと思うかもしれない。恋人に謝ろうと思うかもしれない。両親に感謝しようと思うかもしれない。ご縁を大事にしようと思うかもしれない。旅に出ようと思うかもしれない……。
そのどれもが正解なんです。だから、最後の結論は、読者に委ねました。この本では、『こうしろ、ああしろ』『これをしなければ幸せになれない』という結論を書いていません。読者が自分で考え、自分にふさわしい行動ができる余地を残しています。
結論を書いていないので、たとえるなら、『8割しか完成していない本』とも、言うことができるかもしれません」
