中央省庁の中でも、筆者が在籍した総務省旧総務庁系は特に細かく、文書審査のイロハを徹底的に叩き込まれた。

決裁文書の原本とコピーの記載内容が
異なるということはありえない

 下審査を踏まえて必要な修正が行われた後、正式な決裁手続が進められるが、この段階では形式的な審査のみが行われる。もちろん修正が正しく反映されていない場合等については、起案者に差し戻し、再修正された文書と差し替えられる。

 今回の森友問題での国有財産売却の決裁文書は、公文の発出のような場合と異なり、「かがみ」に多くのことが記載されている形式であるが、添付されている文書は、証明書関係を含め分量が多く、通常であれば下審査が行われたはずである。

 仮にその上で誤り等が見つかった場合でも、修正したものと差し替えられるので、決裁文書の原本とコピーの記載内容が異なるということは当然ありえない。

 修正・浄書前のものが仮に残っていたとして、文書審査は「見え消し」といって、下審査に出された文書に赤ペン等で上から書き加える方法が取られるので、手書きの修正がなされたものであるはずだ(担当の確認用に破棄せず持っているということはありうるが、一連の手続きが終わってしまえば破棄される)。

 結果的には、財務省は決裁文書の書き換えを認める格好となった。今回新たに提出された原本は、3月8日に参院に提出された決裁文書のコピー等の内容と大きく異なっており、これは後から内容を変更した文書を作成して、さも最初から含まれていたかのように差し替えたということ、つまり後から正式な手続きによらずに決定をひっくり返したに等しく、単なる文書管理の問題に止まらない、大問題なのである。