人前でプレゼンできない若手社員をどう矯正するか

人間は弱い生き物で、何事も自発的に行動に移せるわけではありません。新著『図解 すごい「実行力」』を出版した石田淳氏が、「行動科学マネジメント」メソッドに基づいた「実行力」の身につけ方を、同書の中からレクチャーします。今回は、不安や恐怖を取り除き、苦手を克服するための方法について。

不安や恐怖を克服するには
「脱感作法」が有効

 人間、誰にでも苦手なことがあるものです。

 仕事をバリバリこなしているトップ社員が実はアガリ症で、若い女性と2人きりになると満足にしゃべれない。

 見るからに男らしい空手部の主将が、クモやゴキブリを見て悲鳴を上げる。

 家庭的な雰囲気を漂わせた主婦が意外に料理が嫌いで、インスタント食品や出来合いのおかずでお茶を濁している。

 あなたの周囲を見回すと、こんな人がすぐに見つかるはずです。ここまで極端でないにしても、人は何かしら得手不得手を持っているものです。

 私自身、かつては部下のマネジメントが大の苦手でした。行動科学に出会う前、若い社員たちが一斉に退職してしまったことがあります。廃業の危機に追い込まれた悪夢のような経験です。

 苦手なことを客観的に分析してみると、そこにはやはり理由が隠れています。